当たり前ではないということ

私達、今の親世代も

今の子ども達も

平和が当たり前で、そこにある全てが当たり前で生きてきた


自分もそうだし、自分もまだ実感できていない部分はたくさんある


戦争をしている国に行ったこともない

その光景を目の当たりにしたこともない

それが現実に起こっているのか実感することもない


でも、ここに綺麗な体育館があって、

ここに整備されたグラウンドがあって、

教えて貰えることが当たり前で、

素敵な仲間が居て、

綺麗な靴を履いてハンドボールが出来ることが当たり前で、

綺麗なボールを持っていて、

綺麗な水が飲める

この環境こそが有り難いことであると少しでも良いから伝えたい


本来は有ることが難しいこと


そう思えれば、練習の一秒一秒を真剣に取り組むことが出来るかもしれない


普通、遠征といえば設備が整っていて

環境が整った国へ行くのが当たり前と思われている


あるチームはあえて、今の自分達の環境より劣悪な環境でハンドボールをしている国へ行くという


グラウンドはぼこぼこかもしれない

靴を履かずにハンドボールをやっているかもしれない

ボールはボロボロだろう

でも、それって凄く人間として素晴らしい経験であると思う


感じることは綺麗な体育館でやるよりもはるかに大きく多いと思う



大学に入った頃、中・高校の環境の有り難みを痛感した

教えてくださる先生がいて、めげたり、他人のせいにしたりせず、ただひた向きにハンドボールに打ち込む仲間が居て、ゲーム中、強い言い方になってしまうことが多々ある中、きちんとその人を人として評価し続けてくれた仲間が居て

厳しくも優しい眼差しで叱ってくれたり誉めて下さる先輩方が居て

何も言わずに応援してくれた母が居て


それが当たり前に生きてきた私はその環境から離れることで

当たり前だったことが有り難いことだったと気付かされた


今も同じで

支え続けてくれるスタッフが居て

子どもを預かってくれる家族が居て

いつも頑張れって私にパワーをくれる子ども達が居て

場所を提供してくださる方々が居て

一緒にチームを支えて下さる保護者の方々が居て

いつも頑張れって応援してくださるたくさんの人達が居て


これが当たり前ではないから

私はいつでも真剣に

いつでも時間を無駄にしないように

ハンドボールを通して、子ども達と向き合っている


ただ、ハンドボールから離れたらただのグータラ笑

ただ、みんなオンオフはしっかり持った方が良いと思う


なつき監督